陸上、それも短距離走。
スプリンターの性質に昔から興味がありました。
あるドキュメンタリーで聞いた、
「人は100mを全力で走りきることはできない」
モーリスグリーンの言葉から始まった好奇心。
たった10秒程度。その間に伝達される力の結晶。
そう、たった10秒持続的に全力を発揮できる筋力を
人は持たず、全身の筋肉を順番に、スムーズに利用することで、
はじめて人間は息をのむようなスピードで大地を駆ける。
評判に違わず、「一瞬の風になれ」は優れた小説です。
スポーツとして、青春の物語として、友情の証として、
そして、恋の物語として。
これだけ詰め込めば駄作になりがちな贅沢さを、
何の無理もなく書ききった秀作です。
挫折を知る少年と、駆ける姿を奇跡と称される少年。
友情で結ばれた2人が奏でる高校3年間。
そこで展開される努力と苦しみと、
ただひたすらにコンマ1秒先を見ようとする情熱。
スパイクが食いこむタータンの上で、
彼らの日々はその最後にどんなドラマを生むのか。
この本を高校生の時に読んでいたら、
もしかしたら何かが変わっていたかも、そんな風に思ったけれど、
僕にはスラムダンクがあった。幸運です。
青春を生きる全ての人に、どうか1冊でいい、
「青春の書」がありますように。
ジローありがとう、本当に面白かった。
さて、現在もう1つの青春の書を読んでいます。
アムロいきまーすっつって。
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