欲しくて仕方がない物ありますか?
僕にはあります。
正確にはありました。
何の変哲もないような、あるような。
迷彩仕様のメッセンジャーバッグ。
ここ1年半ほど、ずっと欲しかったもの。
ロスで一目見た時から
「それどこで手に入ります?」と聞いて、
なかなか手に入れづらいと判断するやいなや、
「じゃあ譲ってください」と無茶を言いました。
そして、このオネダリはずっと続きました。
で、先日、店頭で持ち主に会った時、
何かしらの話題の中で、
「あのバッグまだ欲しいの?」
と聞かれました。
「もちろん」
と答えました。
「悪いけど、あれは愛着がありすぎてダメだ」
と言われました。
多分、初めてのはっきりとした拒絶の反応。
そんなことは百も承知だったはずなのに、
口にして、言葉で伝えられて、
初めて気がつく物事って言うのはあるものなのです。
このとき、「あぁ、だからか」と思いました。
「だから、あのバッグがずっと欲しかったのか」と。
ずっと欲しがっていたくせに、
なんで?とは考えていなかったんですね。
迷彩に赤のパッチが冴えているからでもなく、
黄色のパイピングが絶妙だからでもなく、
リフレクターが嫌みなく張り付いているからでなく。
僕は単純に、乾いた冬のロスで会った
バッグの持ち主に目を奪われて、
その肩に提げられていたのが、
件の迷彩バッグだったのです。
つまり、僕がずっと欲しかったのは、
バッグだけではなく、バッグの持ち主が持つ
しびれえるような格好良さだったのでした。
というわけで、
現在買付けのため太平洋上を飛んでいるマイマスターへ。
お帰りになりましたら、ご飯でも。
旅路の安全を祈っております。
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