ただ１点を目指して

大好きなジャンルの１つである警察小説。
好きな理由はたぶん、追いつめられた犯人・刑事が、
僕らの側で、でもどこか遠くで、追い、追われる中で、
いつしか色んなものが剥ぎ取られて、
生身の本性や感情をさらす姿に惹かれるからだと思っていて。
そこには、何をしてでも逃げる、捕まえるって姿が欲しいのです。

そういった意味で、今野敏さんが書いた「リオ」は、
嗜好にあうものではなかったように思います。

団塊の世代、全共闘世代とは、と言った世代論を強く滲ませ、
その中で進む捜査はどこか散漫な印象がありました。

もしかしたら、自分がその世代であれば
何かしら感じるものもあったかもしれないけれど。

この本、シリーズものの第１巻みたいです。
読みやすいので、続きものがお好きな方は是非。

ちなみに個人的にナンバーワンの警察小説は、
高村薫さんの「マークスの山」「レディジョーカー」「照柿」。

警察小説は、ただ追う、逃げる、その１点を目指すものであって欲しいです。