洋服を買いに行って、そこは少し薄暗い店内。
カラーはブラックだと思って手にとったセーターのタグを見たら、ネイビーやブラウンと書いてあって、ビックリした経験はありませんか?
明るい場所に商品を持っていってみたら、確かにブラックじゃない。
原因は照明の加減なんですが、実はこの現象はどこでも起きているらしい。
極端な言い方じゃなく、僕らの目に映る全てのものは、一瞬たりとも一定じゃないらしい。
その時々の気圧、光量、目と脳のコンディションなどで、目の前にある物の色も形も変化する。
僕らの脳はいい加減だから、その変化をだいたいは無視するけれど。
さて、それなら自分以外の人と一つの物を見た場合はどうだろう。
一人ひとりの目の位置が違う時点で光量は変わるし、眼球の色も全員違う。
「違う」の項目はどんどん増える。
つまりはどんなに近い人でも、感性が似ている人でも、一緒に一つの物を見つめることはできても「同じものは」は見ることはできないってことになる。
この間、歌手のKREVAが言っていた。
だから以心伝心は信じないって。
だから伝わるように必死になるって。
吸い込まれそうな黒だって一秒後は色を変える。
この世界はとっても心もとないけれど、ただ一つ温かい拠り所があるとすれば。
それはつながりたい誰かと自分とが一生懸命伝えよう、って思えることかも。
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